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放射線の豆知識

放射線の簡易スクリーニングテスト

食品汚染基準の 100Bq/kg の測り方

2012年3月1日、厚生労働省では、食品に含まれる放射性物質の基準値を100Bq/Kgに定めました。
これに伴い、食品中の放射性セシウムスクリーニング法で測定レベルを基準値の1/2以上(50Bq/kg)と制定しました。
測定機器に関しては、「検出限界が 25Bq/kg」以下の機種の選定を義務付けました。
実際にこの検出を正確に行うためには、HPGeの高純度ゲルマニウム半導体測定器による2,3時間の測定が必要ですので、 一般には価格面・運用面で実現不可能と思われます。
当社では、性能面でも問題なく一般の学校・幼稚園・施設などで給食材料の放射線測定を簡易的に行える機種として、 以下のように トレスコT401 でのスクリーニング検査を推奨しています。


ガイガーカウンターの機能 ガイガーカウンターの機能

トレスコT401 の食品汚染測定では、0.20Bq/cm2 が 約50Bq/kg に相当

  • トレスコT401食品汚染測定器を使うと、0.05Bq/cm2 単位で測定できます。
  • 0.05Bq/cm2 は、Bq/kg 換算での機器検出限界としては、約14Bq/kgに相当します。
  • 本器の測定値で、0.10Bq/cm2 が厚労省の定める 25Bq/kg に相当します。
  • スクリーニングレベルとしては、トレスコT401での 0.20Bq/cm2 が 50Bq/kg に相当します。
  • セシウム137基準での換算なので、現在の日本の汚染状況に合った計算値になります。
  • 食品汚染測定時にバックグランド値(空中の放射線量)を自動的に差し引いて計測しますので、 正確に食品のみの汚染レベルを知ることができます。
    バックグランド値をガンマ線で検出してから食品汚染計測をベータ線で検出して相殺しないと、 正しく食品のみの汚染レベルを知ることは出来ないことにご注意ください。
  • トレスコT401では、ベータ線、アルファ線とガンマ線を検出できますので、食品汚染レベルを正しく計測できます。
    他のガンマ線のみの測定器では、食品の表面汚染レベルを正しく測定できないことに注意してください。

本換算値は正確なものではありませんが安全値を見込んだ高め設定の値になっています。 測定する材料の質量・表面形状、放射線の核種毎の線量など、条件によって変わってきます。
T401での食品汚染測定で基準値を超えた場合は、HPGe分析装置を所有している分析センターなどでの精密測定が必要です。 本機器での測定はスクリーニング用としての簡易測定であることにご留意ください。